過去の日記 of 沖津賢一郎 公式サイト|Bright Movie, Marvelous Stage with AmovanDui.

2011.5.13

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スカウト

沖津賢一郎
デビューのきっかけにまつわるエピソードについて
書いてみようと発言した記憶があるので、

今日はそのことに関してお話ししようと思います。

私の場合は俳優であると同時に、

映像作家として、ディレクターとして、監督として演出家として、
作品の規模によってはカメラマンとしても編集者としても仕事をしているため、
デビューといっても、話が複雑になってしまうんですね。


私の経歴については、

このホームページの中にあるので、

ご覧いただければある程度おわかりいただけると思います。


今日は、俳優としてのデビューの話を書こうと思います。

初め私は劇団員で、舞台俳優でした。

年に1~3本ぐらいの公演で、稽古稽古の毎日でしたが、
劇団というのはたいてい公演が終わってしまえば
次の公演まで一時解散状態(?)になるんですね。


そんなある日、私は仕事とは関係のない用事があって、
当時住んでいた練馬から電車を乗り継ぎ、
渋谷を経由して自由が丘へ向かっておりました。

途中、渋谷駅近くの喫煙コーナーで、煙草を嗜んでおりましたところ、

「ちょっとすいません、TVや映画に出る仕事に興味はありませんか?」と
声をかけられました。

私は思いましたね。
もしかしてこれが「スカウト」というものか!?
上京して何年が過ぎただろう、全く垢抜けなかったおれにも、
(今もたいして変わっちゃいないと思うんだけれど…)、
「スカウト」に声をかけられる日がついにきたのか!!

そのまま事務所に入ったんだっけ?
いや、ちがうな。
その日はそのまま自由が丘へ向かったんだ。
とにかくこのような経緯で、
舞台だけではなく、
映像の俳優としての仕事もさせてもらうようになったというわけでございます。

余談ですが、当時私は自分の映画の配役に困っていたため、
思わず言いました。
「よくきいてくれた!逆にきくけどお嬢ちゃん、君はどうなの?
映画に出る仕事に興味はない?」
逆スカウトです。
私は映画制作の人手不足と超低予算っぷりを説明してしまいました。
呆気にとられてたな、お嬢ちゃん。
今考えると、わるい事したかな。

ところで、しかし、この日の話はそれだけではないんです。
私はこのあと自由が丘で用事を済ませ、
今度は新宿を経由して練馬へ帰ろうとしておりました。

するとすると、また、
「すいません、ちょっといいですか?」と声をかけられたのです。
そう、この日2度目のスカウトであります。
何がどうなっていたんでしょうね。

これが何のスカウトだったかということなんですが、
夜のお仕事。つまり、ホストでした。

彼らの鼻は嗅ぎつけたんでしょうね。
私が金(長篇映画の制作費)に困ってるって。
スカウトの坊やをからかってやっていると
坊やが上司を呼んできました。

上司スカウトと話をし、私は不夜城歌舞伎町で、
しばらく働くことになったのです。

せっかくなので、その初日のエピソードを書いて載せておきます。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

17日の23:30に歌舞伎町で待ち合わせた。
スカウトは働き過ぎで病気になっていた。

体験入店。
おれの目的は冷やかしと取材と金、そして配役のスカウトだ。

履歴書には27:00に退勤させてほしいと書いておいた。
諸星風マネージャーはせめて7:00あがりにしてほしいと。
仕方がない。
入店一ヶ月で血の気の多い長渕風ホストが先輩風をふかしたがる。
自分の酒の強さを自慢し、ホストたる者のあり方をえらそうに語る。

「そうはいってもね、僕はね、
この先やってくつもりなんてないわけですから」
おれは言ってやった。
長渕がキレた。
説教を垂れ始める。聞いといてやった。

ホストとして働く。
酒をつくり、
すっかり傷んでしまったキャバクラ嬢たちの苦労話に耳を傾け、
相槌をうつ。
飲む。
店内はハイテンション。
諸星マネージャーが「ガラスの十代」をモノホンダンスで歌う。
イケイケだ。
さすがにバック転はなかったが。

そこでおれは、はたと気づいた。
長渕がいない。
おれに説教を垂れた野郎だ。
更衣室で潰れていた。

面接で午前3時にあがらせてほしいとおれは伝えておいた。
諸星マネージャーは午前7時にすると言った。
時刻は午前10時30分。
もうさすがに帰らないわけにはいかない。
おれは一人、11時に退勤した。
長渕はあいかわらず悪臭を放ちながら自分の股間に手をいれて
大いびきで寝ていやがった。

ホストは時給制じゃない。日給だ。
その理由はよくわかった。

もうひとつ、わかった事がある。
キャバクラ嬢、風俗嬢、ホストたちは実にしっかり者だ。
おれの相談にのってくれた。

だが。
この日の仕事を終えた時点で、 その後待ち受けている展開なんか
おれはこれっぽっちもわかっちゃいなかった。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

その後の展開は、さすがに書けません。


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なんだか初めに書こうとしたことと
ずいぶんちがう内容になってしまったような。

夜分遅くに長日記、失礼致しました。


画像は、その日歌舞伎町で働いた直後、店を出た後の私です。

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