舞台演劇と映像

舞台作品の映像化

私は舞台を撮影、編集してひとつの映像作品にするのが好きです。

舞台作品のデジタル映像化には賛否両論がありますが、私はやはりこの仕事が好きです。

所詮映像が生の舞台に敵わなかったとしても。


監督:沖津賢一郎(Directed by KenichiroOkitsu)Camera:KenichiroOkitsu


舞台作品を映像化するときに重要な要素は、

■映像のディレクションを的確にできるか
■舞台そのものの魅力にどれだけ迫れるか

とても自然で単純な、この2点だと思います。

監督:沖津賢一郎(Directed by KenichiroOkitsu)Camera:ShoWada

映像作家は、出演者をクローズアップで写して、表情を大きく見せることができます。
カット割りや編集を駆使して、見る人を視覚的に興奮させることができます。
また、舞台のロングショットは、一個の額縁として様式的に確立された画となりうるので、
その他ジャンルの映像作品のそれとは一線を画します。
そして、いくら撮影や編集の腕がよくても、高額で大掛かりな機材があっても、
それだけでよい作品ができあがることはありません。
これは映画を作る場合も同じですが、舞台作品の映像化なら尚更です。
映像のディレクションをいかに的確に施すか、この的確にとは、
舞台そのものの魅力を再表現するためにどうするかという意味だといっても決して過言ではありません。

ところが、舞台演劇と映像制作の現場には、目に見えない壁があります。
これは、全く別種のものでありながらお互いに意識せずにはいられない存在だからですが、
それ故に現場の心理にも大きな隔たりがあります。

映像文化反抗期の友情


そもそも舞台演劇は、映像文化の大先輩であり、
映像文化はその幼児期には、舞台演劇に助けられながら育ちました。
だからこそ共通の課題もあります。

役者という人間のお芝居を見せることを大きな課題としてもつ者同士が、
親友として育っていけることを私は望みます。

現在の映像文化が、幼少期なのか思春期なのか。それとも、既に耄碌してしまっているのか…。
私は、映像文化は今現在反抗期なのだと実感している次第です。
多感な時期には、よき理解者、仲間の存在が重要です。

舞台と映像は、同時に楽しめる。
舞台と映像には、不滅の友情がある。

魅力ある舞台と出会い、そして素晴らしい作品をいっしょに作り、世に送り出していけたらと心から願っております。
沖津賢一郎
(2010年4月11日)
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