マルチカメラの魅力
舞台演出をもとにした映像ディレクション
実際の舞台の興奮に逼迫し、
舞台撮影に映像的な利点と創造性をもたらしてくれるのが、マルチカメラ撮影です。
ここでは、マルチカメラ撮影での各々のカメラの役割を簡単に紹介します。
このページでは、ステージムービー『GEIDO』内の各カメラポジションからのショットを例に挙げています。
ステージムービー『GEIDO』で使用したカメラは4台で、演出意図に合わせて、適切な位置に配置しました。
この舞台では、本格的な殺陣シーンが見せ場のひとつだったため、その圧倒的なスピード感と迫力を効果的に見せる必要があり、マルチカメラとマルチクリップ編集が特に効果を発揮しました。
Bcam
舞台正面(Acamとほぼ同じ位置)から望遠レンズでミディアムショットなどを捉えます。
Acamと比較して、ディレクション意図を多分に反映するカメラポジションで、
映像演出上の重要な役割を果たします。
また、このカメラを配置することで、舞台上に2階ステージがあり、1階ステージと同時にお芝居が進行するような舞台演出にも難なく対応することが可能になります。
※ソロカメラによる撮影では、Acamがこのカメラの画角(ミディアム ショットや2ショット)を得るためにズームによって代用しますが、再度Acam本来の画角(ロングショット)に戻すためにはズームバックが必要になりま す。マルチカメラによる舞台撮影の利点のひとつは、カッティングによって一瞬でロングショット(Acam)とミディアムショット(Bcam)を行き来できるという点でしょう。
マルチクリップ編集
複数台のカメラを効果的に配置したマルチカメラ撮影は、
実に多様な撮影素材をもたらします。
各カメラポジションから撮影された素材は、編集機材でマルチクリップ編集されます。
非常に多くの画角で撮られた素材から、シーンに最適なカットを選択していきます。
マルチカメラ撮影とマルチクリップ編集は、
- ある場面ではロングショット(Acam)の長回しを用いて全体の雰囲気をじっくりと表現し、
- 次の場面ではロングショット(Acam)、ミディアムショット(Bcam)、クロースアップ(C、 Dcam)と、カッティングを目紛しく駆使したシーンを演出する
というように舞台作品の各シーンの演出意図によって、映像のディレクションを使い分けることを可能にしてくれます。
マルチクリップ編集では、スイッチングと同様に直感によるカット編集が可能です。シーンをリアルタイムで繋いでから、フレーム単位で調整していきます。
ソロカメラ撮影
■ソロカメラ(1カメ)撮影
ソロカメラ撮影は1カメによる撮影で、舞台公演の記録などに適しているといえます。 舞台のロングショットは、それ単体で成立するほどの様式美を備えているため、ソロカメラは舞台撮影の基礎なのかもしれません。一方、通常ソロカメラでは、全編を通してひとつのカメラポジションから得られる単一ショットだけの映像となるため、実際の舞台演劇の迫力に近づくことは不可能に近いと思われます。
■ズームを用いたソロカメラ撮影
次に、ズームを活用したソロカメラ撮影が考えられますが、
この撮影手法にも技術的な限界があり、実際の舞台演劇からの感動に迫るのは難しく、
かえって舞台演出の意図や雰囲気を損なうことも懸念されます。
■ソロカメラ(1カメ)撮影
ソロカメラ撮影は1カメによる撮影で、舞台公演の記録などに適しているといえます。 舞台のロングショットは、それ単体で成立するほどの様式美を備えているため、ソロカメラは舞台撮影の基礎なのかもしれません。一方、通常ソロカメラでは、全編を通してひとつのカメラポジションから得られる単一ショットだけの映像となるため、実際の舞台演劇の迫力に近づくことは不可能に近いと思われます。
■ズームを用いたソロカメラ撮影
次に、ズームを活用したソロカメラ撮影が考えられますが、
この撮影手法にも技術的な限界があり、実際の舞台演劇からの感動に迫るのは難しく、
かえって舞台演出の意図や雰囲気を損なうことも懸念されます。
関連情報
Special03は、マルチカメラ撮影と編集で実際に制作した舞台映像作品『“GEIDO”デイレクターズ・エディション』のプロダクション・ノートを掲載しました。 Special03:『“GEIDO”デイレクターズ・エディション』